2017年6月19日月曜日

長九郎山 SOTA JA/SO-050(2017年6月19日(日))

 伊豆半島の比較的高い山として、以前より長九郎山に目を付けていました。しかし、地図で眺めていると1エリアの方向には天城山が立ちはだかっているし、実際の電波の飛びはどうなのか疑問に思っていました。また、ブログなどを見ても長九郎山に関しては運用記録や登山記録もあまりありません。
 ヤマレコのレポートによるとシャクナゲの花が咲く頃は、登山者が多いようですが、それ以外は閑散としている模様です。
 5月の頃から、せっかくだからシャクナゲに併せて登るか、むしろそれを避けるべきか悩んでいました。しかし結局はシャクナゲの時期は見送ることにしました。ヤマレコのレポートでシャクナゲのシーズンが終わったことがわかりましたので、今回登山を計画。ついでに隣の大昌山にも登ろうかと企んでいました。
 ところでこの長九郎山ですが、国土地理院の地形図には山頂付近に道が書かれていません。いくつかのガイドブックにはルートが書かれていますが、これもルートが様々でよくわかりません。林道がたくさん絡んでいるのですが、それもどこまで林道を車が走れるかもよくわからない状況です。いくつかのレポートでは西側の宝蔵院というお寺に車を停めて歩いているようです。「山と高原の地図」によると宝蔵院から長九郎山の山頂までは2時間10分です。他のルートも検討しましたが、最も確実そうなこのルートを採用しました。
 前日は大変いい天気で、しかもEスポ大爆発で大変コンディションが良かったようです。今回はどのバンドに出ようかと悩みましたが、とりあえず6m、430、それに21かな?などと考えていましたがなかなか考えがまとまりません。それよりも問題は天気です。週間予報で元々は雨でしたが、途中で曇り、そして当日は曇りですが午後から雨という天気予報で雷の心配もあるというのです。
 結局、6mメインの装備(スタンドといつものΔループ、緊急用にポケットDP)と430のホイップ、さらに21MHzのワイヤーDPを持ってスタートしました。


 宝蔵院の周辺は、公園として整備されていますが、これがかえって分かり難い場合もあります。それでも長九郎山への表示が随所にあるため、あまり迷わず登山道(遊歩道)に入ることができました。
宝蔵院前
 
宝蔵院付近の表示
 
ところが現地の表示によると、長九郎山の山頂までは3時間かかることになっています。私が考えるルートと違うのかと少し悩みましたが、結果的にGPSの軌跡を確認すると当初予定のとおりのルートを歩いていたようで、頂上までは2時間20分くらいでした。10分プラスは、途中コースアウトしてしまったためと思います。
登りはじめの道
 
出合と呼ばれる場所
 
山頂近くの道

 林道に交差する手前で私は雨天時に水が流れる水みちをコースと間違えて歩いてしまったようです。途中で気がつきましたが、既に林道が見えていましたので、そのまま進み林道から迂回をしてコースに戻りました。また、林道から山頂までの道は間違えそうにない道ですが、歩いている道がだんだん深い溝のような状態になってきたため、また、水みちに入り込んでしまったかと思い、道なき道で頂上を目指してしまいました。程なく従来のコースに復帰。黄色とピンクのテープに従えば間違えなくコースを歩けると確信し、それからはコースアウトしませんでした。
 山頂は、突然現れました。周りを木々に覆われ見通しはよくありません。しかし、その直ぐ横に金属製で10m位の高さの展望台が設置されており、ここを登るととても展望が良い状況でした。この展望台の存在は、いくつかのレポートでわかっていましたが、こんなに山頂に隣接しているとは思っていませんでした。これなら、天城の山を超えたり、隙間をぬって電波が飛びそうです。

山頂

展望台をしたから見上げる
 
展望台より
 

 この展望台はアンテナのポールを設置し易い状況です。無線屋さんにとっては、格好の構造物です。しかし、私は正直この展望台に上ると、とても怖く感じました。全て金属製でしっかりとした構造ですが、全体的に腐食しています。目立って穴が空いている箇所はありませんが、自分の仕事柄、よく目をこらして腐食状況を見てしまいます。やはり、部分的には腐食が進んでいます。さらに最上階の床は、鉄板が敷かれています。実際にこの鉄板に破損はありませんが、この鉄板の厚さはよくあるもので強度的には支障が無いことはわかっていても、腐食が進んでいそうで不安に感じてしまいます。そして、この展望台の上は強風にさらされており、油断をすると持ち物が飛んでいってしまいそうです。恐怖感を押さえつつ、風が強いので6mのポケットダイポールを設置、早速6mを聞いてみました。やはり、コンディションは良く、6が聞こえてきます。しかし、バンド内全体がS7程度のノイズで覆われてしまっています。周囲に通信設備をはじめとする電気的な設備などま
たくないのにS7なんてノイズはこれまで経験がありません。どうも、コンディションの変わり目の特有のノイズのようです。
 CQを出している土浦の移動局を見つけ、応答しました。59-59で問題なく、QSO成立。これなら行けそうだと、空いている周波数を探し、CQ。でもなかなか応答がありません。ふと顔に水滴が当たりました。天城の方向は雲で覆われています。風で雨粒が流されているのだと思い、そのままCQ。でもなかなか応答はありません。すると次第に雨粒があたるようになってきました。これは駄目だと、展望台を撤収。展望台の真下なら雨をよけられると考え展望台の途中にアンテナを設置しようかと思いました。しかし、展望台が高すぎて中間に床も無いことから、この真下に入っても雨をよけることができない状況であることがわかりました。こんなときに限ってツエルトも持っていませんでした。私の勝手な計画では、下山時に雨が降る想定はありましたが、運用中の雨は想定していなかったのです。1エリア方向に少し見透しがよく、木々の間で多少雨が防げる場所を見つけ、430MHzのホイップ(RH770)を設置して、CQ。今度は1発で応答があり、切れ目無く呼ばれます。しかし、雨が強くなってきて、このまま運用を続けられなくなってしましました。手書きのログも防水用のメモ帳を使用していますが、インクがのらなくなりつつあります。諦めてCL。それでも9QSOとなり、目標クリアです。
 この山頂は、松崎町と西伊豆町の境のようですが、今回松崎町として運用しました。西伊豆町は、仁科峠などからQRVされる方がいますが、松崎町は1エリアからすると珍しい様です。もう少し続けていれば430で結構呼ばれたことでしょう。次回の楽しみということにして、荷物をまとめ山頂を後にしました。
 最近、雨の恐れがあるときには、山行きを中止していましたので、カッパを着て山歩きをするのは久しぶりです。急に強くなる雨音にビックしたり、濡れた木の根に滑ったりと珍道中でしたが、転倒もなく、無事に車に戻って来られました。それでも重たい荷物の大部分を今回使用することなくお持ち帰りでした。
 車を駐車しているところでは、雨は降っておらず。道も乾いていました。なんどか、少し損をした気分です。駐車したところから目の前に大昌山が見えます。「今日は行かないが、近日参上!」と伝え、車を走らせました。大昌山を改めて目視してどのバンドを運用しようか、課題です。
 結局、登山中に他の登山者には全く会いませんでした。
 
 松崎の町まで降りて、かつて何度か出かけた「さくら」で昼食。相変わらず時間はかかるけど、安くて、おいしくボリュームたっぷりの昼食(今回はあじのたたき定食)を食べて、帰路につきました。


教訓:雨の日でも運用できる装備(ツエルト)を必ず準備しよう!

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