2017年6月11日日曜日

SOTA JA/SO-122名前のない山 三角点(戸沢村)(2017年 6 月10日(土))

 伊豆半島のSOTAの山を巡っていますが、比較的自宅から近くても、まだ行ったことがないところがかなりあります。沼津から伊豆の国市あたりには、低くてポイントの少ない山がいくつか並んでいますが、この前の今山のように低いからといって登るのが簡単というわけではありません。むしろ道がはっきりしない分、体力だけではなく気力も使います。また、高い山ならHFでもV/UHFでもなんでもOKですが、低山となるとVUでは相手がいない場合も考えられますし、HFでは電離層のご機嫌も考えなくてはなりません。
 前置きはさておき、今週はJA/SO-122の三角点とJA/SO-156に注目していました。どちらもネットで探してもあまり情報がありません。そのような中でもわかったのは、どちらの山も山頂近くまでは道があるような感じで国土地理院の地図には描かれていますが、実際には人が歩いていないため、ほとんど藪だということです。すぐ近くの山同士ですから、一度に両方登ることもできそうだと安易に考えていました。しかし、今週の土曜日は朝9に病院に行き採血だけ行う必要があったため、登り始めるのは11時近くになってしまうでしょう。そこで特別な理由もなくJA/SO-122の方を選びました。近くにお寺があるようですから、よくあるパターンでお寺の裏あたりから地図に記載されていない道もあるのではないかという期待もありました。
 さらに、ネットで薮マニアのサイトを見ていると、この山は大堤山と呼ばれているようだとわかりました。いろいろな地図を見てもそんな名前出てきませんが、藪マニアのサイトを中心に検索するといくつかのページが見つかります。なんと、登り始めから山頂までの動画もありました。この動画と同じ道を通るかどうかは別としてわかったことは、どうも必ず笹薮を通らなくてはいけないということです。笹薮で道なき道を通過しているとき、動画を撮影している登山者の乱れた息使いやうめき声のようなものも聞こえてきます。少し、ビビってしまいましたが、それを覚悟で出かけていきました。 
 天気は快晴。暑いくらいです。車をできるだけ山頂の近くに停めたかったのですが、適当な駐車スペースが見つからず、麓の市民体育館の駐車場に停めさせていただきました。
 いくつもある道の内、とにかく一番山頂近くまで続いている道を利用しようと歩き始めました。コンクリートの道ですが、勾配はきつく、どんどん高度を上げていきます。

舗装された道

 畑の中を抜け、道がいよいよ笹薮の中に続いていきます。自分の背の高さよりも高い笹に囲まれて進みますが、まだ、道ははっきりしています。ヤマレコで地図上の自分の位置とルートを確認しながら慎重に進み、大きく進路を変えるところも問題なくクリアー。ところがしばらく進むと道筋が不明確になりました。いよいよ来たかといったところです。とにかくGPSを頼りにルートに近いと歩きやすいところを進んでいきました。


 ふと、ちゃんとした山道に出ました。測量杭もあります。その道を進むと火を燃したことがあるようなドラム缶が道沿いに置いてありました。

当然現れた山道
 
GPSで位置を確認して進みます。ところがこの道も途中から笹薮の中へ続いており、またしても自分より背の高い笹に飲み込まれ完全に道を見失いました。頂上はそう遠くないはずなので、とにかく頂上の方向を見定めて前進。完全な藪漕ぎです。

私の進むべき道は正面の筈(これは、まだいい方)
 
ふと10mくらい前方でガサガサと音がしました。笹を踏みつぶしながら何か大きな動物が移動しているようです。その音は私から遠ざかっていきますが、最後まで音を追えませんでした。少し心配になったのですが、この動物からいいことを教えてもらいました。これまで私は笹を避けることばかり考えていましたが、ここの笹の中には枯れてしまっているものも結構あります。うまく踏みつぶせば簡単に折れてしまうのです。それをうまく見極めれば、迂回せずに歩けるのです。正体不明の動物が移動するときにバキバキと笹の折れる音を聞いてされに気づきました。しかしながら、笹からの攻撃は激しいもので、帽子を3回、眼鏡を2回落としてしまいました。まだまだ笹との格闘が続くと思っていたところ、突然視界が開け、植林したと思われる杉林に飛び出しました。本当にまるでTVゲームで新しいステージにたどり着いたような感じです。この場所を忘れないように自分が出てきたところの地形をしっかりと記憶しました。ここからの歩行は嘘のように楽です。相変わらず道はありませんが、とにかく高い方を目指して歩きます。一番高そうなところに到達したところで1本の杉にテープが巻いてあることに気づきました。そのすぐ近くには国土地理院の白い表示棒、その横に三角点の杭がありました。

頂上を示す三角点

 なんとか山頂に到着したのです。登り始めて約1時間。しかし、本当に大変なのは下りであることは最近学習済みです。
 このあたりも杉林で、天気は快晴であるのに、うす暗い感じでした。眺望はまったくありません。周囲はよく見えますが、なんだか遠くにイノシシの親子でも見えてしまったらどうしようとかえって不安になります。


 とりあえず、水分補給をして、ハンディートランシーバーに長めのホイップを付けて1200MHzでCQ。なんどか試しましたが、応答なし。430MHzでもCQ。やはりだめ。そもそもサブチャンを聞いても違法局ですらわずかしか聞こえません。これではVU期待できないでしょう。

三角点のすぐ近くに陣を取りました
 
そこで先日と同じ7MHzのフルサイズワイヤーDPを木の間に張ることにしました。しかし、杉ばかりで手が届く範囲には枝分かれがないため、ロープを目の高さ付近に縛り付け、給電点は、タモで4mくらいの高さまで持ち上げました。これまで山で張った中では一番まともな張り方です。とっりあえずこの状態で6mを聞いてみました。何かしら聞こえるのではないかと思いましたが、全く何も聞こえません。それではと7MHz。いくつかのQSOは聞こえますが、ガツンと強い局はあまりありません。SWRは前回と同じくらいでFT-817の表示で2つから3つの点。それではと21MHzに上がると結構コンディションが良いようです。ところがSWRは無限大。
 再調整するのが面倒なので7MHzの拡張バンドSSBでCQ。ところが全く応答なし。7.105付近で空きがあったため、そこで再びCQ。でもダメです。この間はなんだかんだ言っても呼んでくれる局がいて、それらの局は59のレポート、5Wとは思えないといってくれていましたが、今回はコンディションの問題なのか全くダメです。そんな時、ツイッターで様子を知らせていたRQO局から応答。カスカスでしたがQSO成立。しばらくして同じようにツイッターを見ていてくれたDGT局から応答。これもかすかすでしたが、S2Sができました。
 しかし、その後が続きません。すると430のメインをつけっぱなしていた無線機からCQが。。。
 富士山5合目の移動局です。これは難なくQSOできました。
 その後、今度は呼びに回るのですが、コンディションが悪く、12時を過ぎているせいか、テンポよくQSOしている局があまりなく、読んでも取ってもらえず、苦戦してしまいました。やっとCQを出し始めた局をとらえて、QSO成功。その後、もう1局QSOできました。空電も聞こえていましたし、風が強くなってきたこともあり、CL。
 あまりQSOできませんでしたが、バンド内で交信がないところではSメーターが1になってしまうののは、ノイズの少ない山岳移動ならではですね。

 さて、来た時のルートにしたがって下山。途中までは確かに来た時のルートだったはずが、気づくとルートから外れてしまいます。ふと、道らしい道にでて、来た時に通った場所にでるのですが、再び笹薮の中でルートを見失ってしまいます。しばらく笹藪を進んで急な崖に出てしまい、GPSで確認すると必要以上に下ってしまったようで、慌てて戻ったりしました。何度か転びそうにもなりましたが、踏ん張って転ばずに済みました。
 ようやく山道らしい道に出て、元の道を通って車まで戻ってくることができました。
 ザックを下すと、ザック全体に枯れた笹の葉や枝の破片、ポケットにもそのような笹薮のお土産がたくさん付いていました。
 不安度合いは別として、ここ最近の中で最もハードな藪漕ぎでした。
 

 



 

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